2011年02月21日

TACK, TACK, TACK!!

三木労音に入会して3年目になりました。
毎年この時期はエキゾものをやるのが恒例なのかしらん?
去年はアラビンディアで、その前がエンキと、ワールドミュージックな感じで今年もまたワールドミュージックな感じのコンサートでした。

2011年度三木労音 1、2月例会
世界紀行バンド! 〜スウェーデン発〜
アレ・メッレル・バンド

スウェーデンといえば、開ける時に「風下で」「完全防護服で」とか色々とんでもない注意のあるシュールストレミングがある国だっけ。後は確か福祉がとっても行き届いていて、消費税が確か25パー。そんな国からやってくる音楽って一体どんなんなんだろう。

紹介を見た感じ、スウェーデン発多国籍バンドっぽいなと思いながらパンフをめくると小さな紙がぺろり。「ん?」と思って確認してみると、メンバーが交代しかも2人も。
これは裏が大変だったろうなーと思いながら、でも三木労音プレゼンツなので何も心配することなく楽しむ気満々。客は気楽なのだ。
ベースが聞けないのはちと残念だったけど(個人的にベースの役割について今すごく興味を持っているもんで)、まあいいや。

いよいよ開演。
あれ? 1人、白杖持ってメンバーに支えられながら現れたぞ。
え、この人がキーボード担当?! いやまあ、目の不自由な鍵盤楽器奏者って辻井伸行だけでなく他にも何人か知ってるから別に珍しくないけど。こんなところで見かけるとは。
ちょっと驚きを覚えている間にさっさと演奏開始。

シンプルな音楽に軽快なリズムで、「木曜木曜」と聴こえるような歌詞。うーん。今日は月曜。
というかこの感触、覚えがあるな。どっかでこんな感じの音楽聴いたことあるぞ……と思い、少し脳内データベースを検索。
あれだ。「ムシカ・ベネソラーナ」!

あっちは南米、こっちは北欧。全然逆なのになんで似たサウンドに聴こえるんだろ。
私の耳がザルなだけか? でもこのノリの軽快さは近いよなぁ。

というか1曲目からノリノリで手拍子やり出す例会参加者がスゲェよ。
ノリ良すぎ(笑)

ベネソラーナの時はとにかくリズムが独特すぎたけど、今回独特だったのは音楽を構成する「旋法」かな。一般に長調と短調しか知らないけど、ドリア旋法とかフリギア旋法とか、クラシック畑の人間なら「教会旋法」という名前で教わるちょっと変わった音階の音楽。
でもこれ、どっかの教皇サマがまとめたから「教会旋法」なんて名前がついちゃっただけで、元々はギリシャ(ドーリア人とか、リディアとかは世界史でも出てくるぜ)が発端の、まあ土着の音階なんだよね。日本人の好きな炭坑節とか通りゃんせとか、あんな音階と同じようなもんです。
短調にしてはシャープがついてないし、長調というには「???」で不思議な音楽だなと思った箇所があったら、きっとそれが旋法。ジプシーっぽいところもあったし、アラビンディアで聞いたような色合いの所もあったから本当に世界紀行って感じ。

というか二重調性みたいになってる曲もあったな。バックがドリアっぽい音楽やってる中にメロディーラインがリディアか沖縄旋法ぽいので歌ってる。不思議な気持ちよさがあった。

そうそう、今回のコンサートで私1つお勉強しました。
フィドルってヴァイオリンのことなんだね。初めて知った。
マグヌス氏が弾いてる楽器、どう見てもヴァイオリンだよなー、でもパンフにはフィドルとしか書いてないなーとか思って帰って調べてみたら、民族音楽をやる時のヴァイオリンを特にフィドルというそうな。フィドルって何となく笛系だと思ってたぞ、このウン何年(先入観って怖いな!)。
つーことは、ロビー・ラカトシュが弾いてるものなんかもヴァイオリンつーよりはフィドルと言ったほうが近いかもしれんね。
しっかしこの人の音、凄くまっすぐで澄んでるな。こういう人がこういうバンドでチゴイネルワイゼンとか、リストやブラームスのハンガリーもの弾いたらメチャクチャカッコ良いと思うんだけど。何かの間違いでフィーチャーしないだろうか。

紅一点のドレスのおねーさん、マリア・ステッラスさん綺麗でしたねー。
女の私でも思わずときめいてしまいそうな位腰や手の動きがエr……官能的でね。うふふ。
1部はバストのラインが物凄く綺麗で、2部のドレスはびっくりする位横が割れてるしさぁ。子供に見せちゃダメだよこんなの〜、私は大好きだけど〜、とニヤニヤ(←お前はオヤジか)。
自分の手や顔、腰の動きがお客さんにどう見えるか、今の自分がどう映っているか、スカートがどうひらめいているかとかを完全に見切って踊ってるなーと思いながら見てました。はぁ、美しい。
バンドの音楽に乗ってこういうドレスの女性が踊るのって、ジプシーなんかの吟遊楽隊の系列ですよね。こういうエンターテイメントがホールで見られるなんて、良い環境だなとしみじみ思いました。

セネガルからのママドゥ……黒人のリズム感はホンットにハンパじゃないな。
多分1曲目だったと思うけど、ママドゥがソロで歌いだした途端にパーカッションに匹敵するパワーがみなぎったリズムがバンドを支配したもん(これ、パーカッションが本来のラファエル氏だったら、とんでもないステージになったぞ多分。アフリカンvsメキシカンとか、ある意味ドリームカードじゃん(何の)。リズムの国の人同士の駆け引きというか、そういう演奏になったと思う)。別に歌が細かいリズムを刻んでたとかじゃなくて、どう言えば良いんだろうな。本当に声の波動がリズムに乗っているというか、心臓から出ている声とでも言えばいいのか……とにかく声が生きてて脈打ってる。
んでまた、アレ・メッレルとのハモリが綺麗なんだ。マリアのバックコーラスやってる時のあの音の綺麗なこと! 音程のハマリ具合ももちろんなんだけど、アレとママドゥの声質がピシっと揃っててさ! いつハモるかなとかそっち楽しみに聴いていました(……どうも観点がオタだな私)
作曲の先生が、アフリカ大陸の人は喋っているうちに自然に3度音程とか5度音程でハモり出すとか言ってたのを思い出す。


柳笛面白かったなぁ〜。笛同士のおちょくりあいも楽しかったんだけど、それ以上に。

それ以上に!

松野迅さんのトークスペースに行かれた方!
アレさんの弾いていたあれが、あの音が、(多分)ウワサの倍音ですよ!
低い音の上で独特の音が鳴ってましたよね。低い音から高い音にぴょいっと飛んで、お隣の音なんかをちょろちょろしてましたね。あれは倍音の通りの動きなのですよ!
基音から一気に飛んで第6倍音から第10倍音あたり。
あんなに綺麗な倍音聴くチャンスに恵まれるとは思ってなかった。
まあそれ以上にびっくりしたのは、弾き終えた後に楽器を袖に放り込んだことだけど。
いくらプラスチックとはいえ、思わず目を疑ったぜ。天才のやることはよー分からん。

バジリコの歌はどことなく「コンドルは飛んでいく」を連想。
北欧発の音楽聴いてんだから南米から離れろよって感じだけど、曲目紹介見たらギリシャの「山脈地帯に伝わる曲」なんだね。「コンドル〜」も確かペルーかどっかの山脈地帯のフォルクローレだったはずだから、地形が似ていると似たような音楽イメージを持つようになるのかなと思ってみたり、思わなかったり。

今回はミュージシャンの交代があって、パーカッションが大分若手っぽかったですね。
マグヌス(フィドル)があれこれサポートしていたのが見えてちょっと面白かった。
もちろんこんな凄いバンドに参加してラファエル氏の代わりに日本に来られる位なんだから、ラファエル氏の影響を物凄く受けていて、リズム感ピカイチ、センスも抜群、キャリアも中々に、なんだろうけど、マグヌスのあの世話の焼きっぷりからしたら「アレ・メッレル・バンドのメンバーとして、異国の地でこういう場に出る」にはほんの少ーしだけ日が浅いのかな。入りのきっかけとか「今はブレイク」とか、ものによってはリズムを教えているっぽかったし、アッレが「行けるかな」的にそれをじーっと見てたり、本人もマグヌスの顔をちょい緊張気味に見たりしてたし(……舞台って、わりとそーゆーのが見える)。
こういうステージに来るレベルのバンドやアンサンブルは、ちょっとしたワンブレスだけでパッと合わせてしまう位完成されたチームが多いので、ああいう光景ってわりと珍しいんですよね。それだけに、発展途上の人間にしてみれば学べることも多く。
他にもママドゥがマッツ(キーボード)の介助を務めていらしたり、演奏者同士の人間が見えるやり取りの多いステージでした。いいもの見たぜ。

いや、今回ホントになんか不思議な温かみに満ちた例会でしたね。
サウンドの楽しさはもちろんだけど、血の通った演奏者を感じられると言うか、人間味を実感すると言うか。心地よい後味を残すステージでした。

TACKとは、スウェーデン語で「ありがとう」って意味だそうです。
これからまだツアーがあるとのことですが、ご成功を心よりお祈りしております。


さて次回4月8日の三木労音例会は……昨年、個性豊かなメンバー揃いで愉快過ぎる金管セクションを送り込んできた関西フィルから、今度は弦楽器パートのメンバーがやってくる!




posted by イトウユミ at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | おひさま
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